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企業サイト=鏡論【第2回】[前提確認]その鏡は、誰に向けて置かれているのか?ホームランオフィスが贈る経営とウェブをつなぐ構造的ブランディング戦略 全8回連載企画

KNOWLEDGE

企業サイト=鏡論【第2回】[前提確認]その鏡は、誰に向けて置かれているのか?

「企業サイト =鏡」誰に向けたものになっている?

企業の公式サイトは、「会社のあり方」が滲み出る鏡。

第1回では、サイトが信頼の出発点となり、あらゆるタッチポイントの「着地点」として機能することをお伝えしました。

では、鏡(ウェブサイト)が「誰に向かって置かれているのか」まで考えたことがあるでしょうか?

「もし、その鏡が誰にも向けられていなければ、せっかく見に来た人にも何も映らないかもしれません。」

ターゲットは明確になっているのか?
企業ブランディングの起点は、誰に向けて存在しているのかを明らかにすることから始まります。

ステークホルダーの全体像を捉える

サイトに訪れる人=「あなたの企業(商品・サービス)を知って、サイトを見て、知りたくなった人」

その人は、次のようなステークホルダーである可能性があります。

  • 顧客
  • 求職者
  • 株主
  • 取引先
  • 地域の生活者や行政・団体など、周囲のコミュニティ関係者

総じて、「未来のパートナー」になり得る人たちです。

どんな経路であれ、興味を持った人は企業サイトに辿り着きます。

そしてその時、彼らは「自分の知りたい情報があるか?」「この会社は信頼できるのか?」という無意識の問いを持っています。

問いに対して、企業としてどう応えるか。

その答えが、鏡(ウェブサイト)に映る「姿勢」や「言葉」として表れるのです。

ここでいう「姿勢」や「言葉」とは、コピーライティング、写真や動画、デザインやトーン、ブログやニュース、サービス紹介の構成といった、あらゆる表現手段を指します。

そのすべてが誰にどう見せたいかの答えであり、読み手を迎え入れるためのおもてなしでもあります。

つまり、「ちゃんと自分のことを考えてくれている」と感じられるかどうか。

そこに企業の本質的な姿勢がにじみ出るのです。

「誰にも向いていない」=「誰の記憶にも残らない」

情報発信のチャネルが多様化した今こそ、企業サイトには誰かに向けた明確な意志が必要です。

誰に語りかけているのかが曖昧なコンテンツは、たとえ美しく整えられていても、訪問者の心には届きません。

逆に、企業サイトに訪れた相手が「これは自分のために書かれている」と感じたとき、初めて信頼という関係が芽生えるのです。

このとき問われるのは、「企業の根幹となる個性」と「見る人に向けた実直な姿勢」。ウェブサイトは企業活動を映し出す鏡であり、誰かが見ることを常に意識する必要があります。

あなたのサイト、“誰”に応えていますか?

たとえば今のあなたのサイト、求職者が来たときに「自分の未来がイメージできる構成」になっていますか? 取引先が訪れたときに、「一緒に組めそうだ」と思える信頼の土台はありますか?

「誰が来るかは分からない」という気持ちはわかります。 ですが、それでも「来てほしい人」はいるはず。

まずはその誰かに向けた明確な仮説から、サイトは立ち上げるべきです。

「訪れる目的」に応える公式サイトに

それぞれのステークホルダーがサイトを訪れる目的は異なります。

  • 顧客は「商品やサービスの価値」を見にくる
  • 求職者は「働く環境や価値観」に注目する
  • 株主は「経営の透明性や将来性」を確認する
  • 取引先は「信頼性と協業の可能性」を探る
  • 地域の生活者や行政・団体などは、「企業の社会的姿勢や地域との関わり方」に目を向ける

誰にとっても、サイトは「自分との接点を探しに来る場所」であることを忘れてはなりません。

小さな変化を“価値化”する視点

企業活動の中で、毎日劇的な変化が起きるわけではありません。

でも、気づきや工夫、日々の積み重ねの中には、実は価値に変えられることがたくさんあります。

たとえば、社内のちょっとした工夫、日々の気づきや改善、顧客とのちょっとしたやり取りや発見など。

それらを「最適な媒体に、最適なフォーマットで届ける」ことで、情報発信の深度が変わってきます。

最適な媒体とは、ブログなのか、SNSなのか、メルマガなのか。

そして文章なのか、動画なのか、音声なのか。

ホームランオフィスでは、日々の小さな変化こそが、信頼を育み、やがてSEOにもつながると考えています。

「SEOは手段ではなく、戦略として取り組むもの」。

そして同時に、自然な発信の積み重ねが、ある日SEOの成果として返ってくる

この意識こそが、情報発信を義務から継続的な取り組みに変えてくれます。

この視点については今後の回でも深掘りしますが、ここでは「日々の変化=価値の種」であることを強調しておきます。

次回予告:【構造理解を深める①】「伝えたいこと」は「伝わること」に直結しない。

ウェブサイトの様々な箇所から表現される「伝えたいこと」。

自分たちの信念や世界観を、どう伝えるのか?

どんな表現を選び、どんな言葉で届けるのか。

その中にどのようなを生み、どんな緩急抑揚をつけ、どんな温度を帯びさせるのか?

次回は、伝わる設計の第一歩として、「構造と表現」の考え方に踏み込んでいきます。