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企業サイト=鏡論【第1回】企業サイト=鏡論【第1回】企業サイトはその企業を映し出す「鏡」として見直すべきか?
2025.05.20
本連載「企業サイト=鏡論」は、企業のウェブサイトを「単なる情報発信の場」ではなく、会社の姿勢や信念を映し出す「鏡」として見直すための考え方と改善する方法をお届けします。
日本の経済を深く支える製造・生産に携わる企業の皆様が、より活発に、より魅力ある事業の発展につなげていただけることを願っています。
本連載が、その一歩を踏み出すヒントになれば幸いです。
ウェブサイト(ホームページ)でこんな悩みはありませんか?
- 社内で「うちのウェブサイト(ホームページ)って、何が強みなのか伝わってるのかな…」と話題になる
- 展示会では興味を持ってもらえたのに、後日の問い合わせが来ない
- SNSでは良い反応があるのに、企業サイトでは手応えがない(資料請求や問い合わせがない)
- プロのウェブデザイナーやウェブ制作会社に作ってもらって、素敵なデザインだけど何かが足りない
その原因は、「情報が足りない」「デザインが悪い」からではありません。
とても深刻な課題が様々な箇所で起きてしまっている可能性があります。
企業サイトを「鏡」として考えてみましょう。
その深刻な課題は、あなたの会社の「顔」を、「鏡」にきちんと映せていないだけかもしれません。
企業サイトは様々な問いを突きつけられる存在
SNSもある。展示会に出展しているし、名刺交換もできている。
ChatGPTに聞けば、ある程度の情報は返ってくる。
知人からの紹介もありがたいことにある。
企業との出会いは、以前よりもずっと多様になりました。
そんな時代に「なぜ人は、企業のサイトにアクセスするのか?」
それは単なる情報収集ではありません。
- この会社は信頼できるか?
- 自分に関係がある存在か?
- 価値観が合うか?
自分の中の興味を底上げするため、もしくは、意思や気持ちを確信に変えるために見に来られているのです。
そのため企業サイトは、「何を言っているか」ではなく、「どう見えているか」が問われる「鏡」のような存在になのです。
どんな入口から始まったとしても、その企業や商品、サービスと接点を持ち、気になる、もっと知りたい、商談したい、買いたいと思った方は、最終的に公式ホームページ(ウェブサイト)を見に行きます。
そこで「この会社、この商品、このサービス、信頼できそうだ!」と思ってもらえるかどうかが、信頼のスタート地点となります。
公式サイトを見る理由は「自分の目でちゃんと確かめたい」
正直、情報は今やどこにでもあります。
Googleなどの検索サービスを利用すれば、メディアの記事も、口コミも、プレスリリースも出てくるし、最近ではChatGPTに聞けばざっくりした会社情報も返ってくる。
そんな時代だからこそ、人は知らず知らずのうちに「自分の目でちゃんと確かめたい」と思うようになります。
そして訪れるのが、企業が自分で語っている場所、代表となる、顔となる=公式サイトです。
たとえば展示会で名刺をもらったあと、SNSで気になった会社名を見かけたあと、興味を持った人は「企業名で検索→公式サイトを確認」と、自分の目で確かめに行く。
だからこそ、検索のあとに訪れる場所で与える一瞬の印象が、企業の信頼を左右します。
「なんかこれ、書いてあることチグハグだな」で終わる瞬間もある
広告、展示会、SNS、YouTube、ダウンロードできる資料や、ウェブ広告の活用など。
企業が発信できるチャネルは増えましたが、それらはすべて「きっかけ」であり、「こんなのあるんだ」という認知の初期接点(タッチポイント)にすぎません。
興味を持った人がたどり着くのは、公式サイト。
なぜならば「公式サイトが一番いろんな情報が揃っている」と誰もが認識しているからです。
そして訪れたその時、
- SNSやYouTube、広告と印象がなんか違う
- 何をやっている会社かわからない
- トーンや雰囲気に一貫性がない
- 結局どんな会社なの?という迷いが起きる
そんなウェブサイトだったら、せっかく芽生えた関心も、その瞬間にスッと冷めてしまうかもしれません。
たとえば、
- 何をしている会社か
- 何を大切にしているのか
- 知りたい情報がたくさん載ってそう
が、ひと目で伝わらなかったとしたら。
迷いや違和感が生まれた瞬間、興味は自然に離れていってしまうものです。
企業サイトは、SNS・展示会・紹介・営業資料など、あらゆるタッチポイントの着地点。
そして同時に、「この会社、信頼できそう」と思ってもらえるかどうかを左右する、最終ジャッジの場でもあるのです。
公式サイトは「営業ツール」じゃない。企業の姿勢がそのまま表現されて映る「鏡」だ。
多くの企業は、今もまだ「商品を説明する場所」「資料請求につなげる場」として企業サイトを捉えています。
もちろん、それも大切です。
でも、本当に伝えたいことは、もっと奥にあるはずです。
- どんな世界観で事業を営んでいるのか?
- 社会や経済、どんな向き合い方をしているのか?
- どんな人が、どんな想いで働いているのか?
- 何を大切にしているかが伝わるか?
企業の価値観や姿勢をウェブサイトは映し出します。
つまり企業の公式ウェブサイトは会社をどう見せたいかではなく、どう見えているかが問われ、映し出される鏡のような存在です。
何をどう語るか以前に、「どんな姿勢でそこに立っているか」が問われる鏡。
そして、あなたの会社の「今」は、もう映し出されています。
ホームページ(ウェブサイト)を開いた瞬間、元気な笑顔か? それとも、眉間にシワのある小難しい表情か?
その顔つきを、鏡のように映し出してしまっています。
「うちの会社(商品・サービス)、どう見えてる?」と、今すぐ問い返してみてください。
鏡はいつだって、こちらを映しています。
次回予告。「その鏡は、誰に向けて置かれているのか?」
その鏡には、いったい誰が映っているのでしょうか。
顧客?求職者?株主?地域の人たち?あるいは、これから出会うまだ見ぬパートナーかもしれません。
もし、誰にも向けられていない鏡だったとしたら、その姿は、誰の記憶にも残りません。
次回は、「誰に向けて、なぜそのウェブサイトは存在するのか?」という視点から、「企業サイトは鏡としての設計しよう!」といった内容で掘り下げていきます。
企業サイト=鏡論【第2回】[前提確認]その鏡は、誰に向けて置かれているのか?
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